torahouのブログ

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学卒者とジョブ・カード制度

書きたいことを雑多に書くのがコンセプトなので、今日はジョブ・カードという厚生労働省が管轄している制度について書く。

https://jobcard.mhlw.go.jp/

この制度は実務の場では補助金絡み以外ではほとんど活用されていないと思うけど、ここのところ厚労省も力をいれはじめている気がする。具体的には使われていない中でも特に使われていない、学卒者の支援に対しても活用させたいという雰囲気が見えないでもない。リクナビのオープンESやマイナビのスカウトとも項目対応しているから使おうねーというのを打ち出しているし。今の段階ではじゃあオープンES作ればいいやん、という話なんだけど。

ジョブ・カードについて確認すると、現時点ではジョブ・カード登録アドバイザー(旧登録キャリア・コンサルタント)という所定の条件を満たした人が講習を受講すれば取れる資格で扱える。ただジョブカード登録アドバイザーの新規登録ならびに更新は今年度で打ち切りとなり、2024年4月からは国会資格キャリアコンサルタント有資格者のみが扱えるようになる。(ジョブ・カード登録アドバイザーの有効期間が、今年更新しても2024年3月末で切れる。)

厚労省が学卒者にもジョブ・カードの活用を促していること、そしてジョブ・カードを扱えるのはキャリコンのみということから考えると、将来的には学卒者の支援の現場も原則キャリコン有資格者のみが携わるようにしたいと思っているように見える。例えば、文科省補助金の案件でキャリコン有資格者を何名(何割)置くようにと打ち出せば、あっという間にそうなってもおかしくないのが大学だと思うし。

この流れは一見すると、国家資格保持者のより専門知識が高い人のみが学生の就職・キャリア形成に関われるようになるので良いことに見える。けど個人的には正直懸念もほうが大きい。

なんといってもキャリアコンサルタントの概念が個人的にはそもそも学卒者支援に完全にマッチしているとは思えない。傾聴や自己決定、もちろん大事。ただ社会人経験者ならともかく、学生に対してはキャリコン(カウンセラ)と求職者(クライエント)という関係性だけでなく、指導者と学生というマインドが絶対に必要だと思う。自分の経験だけで言うとキャリコン資格者にこのマインド持っている人は少ないように感じる。特に実務経験→資格取得ではなく、資格ありきで就職し実務についている人は。そもそもキャリコンの試験・学習内容に面接対策や履歴書対策、企業についてといった学卒者支援・指導の必須知識等は含まれていないはずだし。結局個人が頑張って勉強するかどうかなんだよなあ。

なにが言いたいかというと、学卒者支援の場には資格の有無を問わずいろんな人がいるべきということ。キャリコンの資格を取ってそれを直接的に活かして働きたいと思っている人の属性としては結婚や育児で一旦仕事から離れた人を中心とした、30〜50歳あたりの女性が非常に多いように思う。(これは現状キャリコンの報酬が基本的に低いせいかもしれない。)
それは全然悪いことではないんだけど、資格が最優先になり例えば大学のキャリアセンターの職員がそういう同じ属性の人ばっかりになったら良いかというと、やっぱりそうではないと思う。上述の通り必ずしも有資格者=圧倒的に学生指導の知識がある人というわけでもないし。まあ実際にキャリコン有資格者の価値が上がればいろんな人が資格を持つようになって、そういう事態にはならないかもしれないけど。