torahouのブログ

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低年次生への就職・キャリア支援

低年次教育の強化というのが今の大学の就職・キャリア支援のトレンドの一つだと思う。前々から言われていたことが、ようやく実施のフェーズに入ったような印象。とりあえず形だけキャリア教育系の科目を1,2回生で受けさせるだけでなく、実効性の高いものにしようという流れ。

これは非常に正しいことのように見える。文科省も評価するだろうし、うまく広報すれば高校生や保護者、高校教員からもよく思われるかもしれない。

ただ個人的にはそれホンマに意味ある?と強く思っている。普通に考えて4年制大学に入った一回生に就職課やキャリアセンターが出張って話をして多くの学生に響くとはとてもじゃないけど思えない。もちろん意識のある一部の学生には響く可能性はあるだろうけど、それだけでは費用対効果は薄い。

そもそも大学が入試広報でアピールしている就職先とその大学の就職担当部門が目指している就職の方向性が違うことは多いと感じる。(これはこれで大きな問題だけど…。)例えばCAを目指して入学してきた学生に「英語が使える仕事は他にもあるで」と言っても「は?」ってなるだろうし学習意欲を低下させるリスクも高い。

私見では本格的な就職に向けての指導なんて3回生からで十分。3回生開始時に一気に就職のセミナーを開きまくることで「いよいよやらないとダメなのか」という意識を作ってスイッチを入れさせることのほうが、低年次からダラダラ関わるよりもよっぽど効果があると思う。周りが就活モードに入っている中でスイッチ入れれない学生に低年次から関わっても職業意識が高まる可能性は薄いだろうし。

低年次の間は変に就職を考えるよりも、いろいろ経験して大学生活を充実させるほうがよっぽど良いと思う。その経験の一つとして2回生の夏休みにインターンシップに行ってみる、ぐらいのことはしても良いだろうけど。

就職課・キャリアセンターに多大なリソースがある大学なら低年次対策にも力をいれればいいだろうけど、実際はそんな大学は少数。そうでない大多数の大学は選択と集中をしなければならない中で、本当に低年次への就職・キャリア支援にリソースを割いて大丈夫か?